小花仙 日本語訳

中国アニメ「小花仙」を個人の趣味で日本語に翻訳しています。

小花仙第2期第11話 素敵な七夕節


ご注意!!
次の二点につきまして、ご理解くださいますようお願い申し上げます。
※こちらの日本語訳は個人が趣味で行っているものであり、公式とは一切関係ありません。
※素人の翻訳のため、訳し間違い、読みづらい点もあるかと思います。参考程度に考えていただけると幸いです。
 
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小花仙第2季第11集 美丽七夕节

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【大雑把なあらすじ】
今日は七夕節。織姫と彦星の物語をククルとルルに語って聞かせるアンアンとチェンハン。あまりの悲しい物語に、ククルとルルは泣き出してしまう。しかし、アンアンは織姫と彦星が羨ましいという。たとえ一年に一度でも会うことができるからだ。アンアンは小さいときにママと別れてから、一度も会っていないのだ。しかし、七夕節は中国のバレンタインデーでもある。憧れのワンクーお兄さんとのロマンスを夢見るアンアンは、先ほどまでのしんみりした気持ちをさっさと忘れ、七夕節の衣装に着替え、チェンハンたちと花火大会へと繰り出した。
 
夜空に光る星を見つめながら、アンアンは小さい頃を思い出していた。
パパと二人で土手に座り、七夕節の花火を見る小さいアンアン。しかし、自分だけママがいないと泣き出してしまう。泣きやまないアンアンに、パパはママの秘密を語りだす。ママは実は仙女様で、しなくてはならない大切なことがあるため、アンアンとは一緒にいられない。でも、夜空の星に姿を変えて、アンアンをいつも見守っていると。そして、アンアンに七夕節にまつわる古い詩を教える。その夜の思い出は今もアンアンの心に残り続けた。
 
子供の頃にパパに教えてもらった詩を口ずさむアンアン。その詩の美しさにつられ、金魚草の精霊王が姿を現した。
 
【日本語訳】
(ナレーション)
伝説によると、遥か遠くの天界には多くの神仙が住むという。ある日、天界で最も年若い織姫が、初めて美しい雲の織りなす天界の果てに遣わされた。織姫が首を下げて人間界を見下ろすと、そこには美しい世界が広がっており、織姫はたちまち人間界が好きになった。織姫が我慢できずにこっそり人間界に舞い降りると、そこで彦星という名の青年に出会った。彦星は働き者で勇敢で、賢く、とても親切であった。彦星に強く心惹かれた織姫は、彦星と一緒に暮らすことにした。
ほどなくして、二人は可愛らしい子供を授かった。しかし、このことはすぐに天の女帝、王母の知るところとなる。烈火のごとく怒った王母は、衣の袖をさっと振り、織姫を連れ去ってしまった。彦星は子供を抱いて必死に追うも、王母が指を差し伸ばすと、天河と人間界の間に越えることのできない銀河が現れ、天界への道はばっさりと断ち切られた。
これにより、織姫と彦星は銀河の両端で互いを見つめることしか許されず、二度と会うことはできなくなった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
七夕節の日、アンアンの部屋で。
チェンハン「これが織姫と彦星の物語だよ」
アンアン「この話を聞くたびに、なんて悲しくて美しい物語なんだと思うよ。…ククル?」
織姫と彦星の物語を聞き、号泣するククルとルル。
ククル「うわー、なんて感動的な物語なんだー!」
ルル「織姫様かわいそう…」
チェンハン「悲しまないで。この物語にはまだ続きがあるんだよ」
ククル「え?」
アンアン「うん。織姫と彦星の物語に感動したカササギたちが毎年7月7日に方々から集まって来て、自分たちの体で橋を架けるの。そのおかげで、この日だけは家族一緒に過ごすことができるんだ。そして、後世の人たちがこの美しい想いを記念して、毎年7月7日を七夕節にしたんだって」
ククル「うわあああ!かわいそうだー!」
ルル「一年に一日しか会えないなんてー!うえーん!」
アンアン「だけど、小さいときはこの語を聞くたびに、ママが織姫様だったらいいのになって思ったよ」
チェンハン「アンアン…」
アンアン「パパがいつも言ってたけど、ママは一番きれいな仙女様なんだって。お空で一番輝いているお星さまに姿を変えて、私のことをずっと見てくれてるんだって…」
ククル、ルル「うわああ!アンアンのママ、かわいそうー!」
アンアン「いいから、ククル。私は悲しんでないよ」
ククル「アンアン」
アンアン「だって、ママに会えるって信じてるから。私は七夕節が一番好きなんだ」
ククル「うん!アンアン。オレたちはじきに全ての精霊王たちをゲットする。そしたらラベル大陸に戻って、オマエはママに会えるさ!」
アンアン「それに、七夕節は中国のバレンタインデーだし 」
ククルの話など気にも留めていないかのように、急に態度を変えるアンアン。
ククル「え?なんでいきなりテンション変わってんだよ」
チェンハン「アンアン、早く着替えて出かけようよ」
アンアン「うん」
七夕の衣装に着替えるため、別室に移るアンアンとチェンハン。
アンアン「ククル、乙女の着替えをのぞいたら許さないよ」
ククル「だ、誰がのぞくかよ!フン!」
 
ククル「女はめんどくせーな」
アンアン「ククル、もういいよ」
やっと着替えが終わって部屋に戻ってきたアンアンとチェンハン。
七夕の衣装に身を包み、いつもとは違った雰囲気のアンアンに思わず見惚れるククル。
チェンハン「ククル、顔が赤いよ」
ルル「ふふ。ちび王子、赤い顔してどうしたの?」
ククル「ちげーよ」
アンアン「かわいくないかな…」
涙目でククルを見つめるアンアン。
ククル「わかった、わかった。かわいいよ」
ククルの言葉に大喜びしたアンアンは、ククルを掴んでベッドに倒れこんだ。
アンアン「よかったー!王子さえもかわいいと認めた!」
ククル「降ろせー!」
アンアン「ワンクーお兄ちゃんも私のことかわいいって思ってくれるかも…。ねえ?」
ククル「フン!またワンクーか!」
浮かれるアンアンと焼きもちを焼くククル。そんな二人の姿に、チェンハンとルルは思わず笑みを漏らした。
 
場面は変わって、満天の星空の下、川沿いを歩くアンアンたち。
ククル「どこ行くんだ?」
アンアン「七夕のお祭りだよ」
ククル「七夕のお祭り?」
チェンハン「うん。とっても素敵な花火大会だよ。花港市の大事な年中行事の一つなんだ」
ルル「何か特別なことをするの?」
チェンハン「七夕節のお祝いに、花港市が大規模な花火大会を開催するの。みんな土手に座って、空に打ち上がるきらびやかな花火を見るの。空の星たちと花火が一緒にきらめいて、川に落ちてきた火の粉は、まるでお星さまが下界に降りてきたようで、すごくきれいなんだ」
ククル「わあ~」
アンアン「伝説によると、織姫と彦星が会った時にとても素敵な願い事をするんだって。その願い事が特別なお星さまに姿を変えて、人間界にこぼれ落ちて来るんだって」
チェンハン「うん。毎年、係の人が川上から灯籠を流すんだけど、ゆっくりと川の流れに沿って流れてきた灯籠の中に、一つだけ特別な【星灯】があるの」
アンアン「それが織姫と彦星の願い事なんだって」
チェンハン「うん。だから、みんな花火大会が終わった後に、流れてきた灯籠をすくいに行くの」
アンアン「その特別な星灯を手に入れた人は、自分の願いを一つだけ叶えることができるんだって」
ククル「面白そうだな」
アンアン「ワンクーお兄ちゃんが私のために、星灯をこっそり残しておいてくれたらいいのにな~」
ククル「ワンクー?」
アンアン「えっと、あの…。今年はワンクーお兄ちゃんが灯籠を流す係なの」
ククル「チェッ!ヤツに陰でコソコソやらせる必要ねーだろ。オレ様なら堂々と取って来られるぜ。オマエが必死でオレ様に頼むなら、取ってきてやらないこともないぜ」
ククルの偉そうな物言いにイラッとくるアンアン。
アンアン「この、見栄っ張りのけち王子!」
ククル「オマエ~!」
二人がいつものケンカを始めようとしたその時、夜空に大きな花火が打ちあがった。
チェンハン「きれいな花火!」
ルル「始まるみたいだね」
ケンカも忘れて花火に見入るアンアンとククル。
アンアン「あ!間に合わない!早く!」
まだ花火大会の会場に着いていないアンアンは、衣の裾をまくって慌てて駆け出した。
チェンハン「アンアン、あわてないで!ゆっくり走って。間に合うよ!」
慌てて走るアンアンを、チェンハンとルルも走って追いかけた。
 
場面は変わって、小さい頃のアンアン。パパと二人で土手に座って、流れて来る灯籠を眺めている。しかし、アンアンはママを思い、泣き出してしまう。
アンアン「ママ、ママ…。アンアンもママが欲しいよー!」
パパ「アンアン、ごらん。あんなにたくさんの星灯が流れてる。きれいだね」
アンアン「わあ…」
川を流れる灯籠の美しさにアンアンの機嫌は一瞬治ったが、すぐにママを思い、泣き出してしまう。
アンアン「みんなママがいるのに、どうしてアンアンだけママがいないの?アンアンもママが欲しいよ」
パパ「アンアン、前にパパが言ったことを覚えているかい?ママはお空で一番きれいな仙女様なんだ」
アンアン「うん」
パパ「仙女様のママにはやらなくてはいけない大切なことがあって、アンアンと一緒にいられないんだ。だけど、ママはずっとアンアンのことを見ているよ」
アンアン「ほんと…?」
パパ「もちろんだよ。ごらん、星灯はママからアンアンへのプレゼントなんだ」
アンアン「ママ…」
パパ「(空の星を指さしながら)ごらん。あの星たちの名前はとても素敵なんだ。この星の名は天鷲星、あの星の名は天琴星、織女星とも言うんだ」
アンアン「仙女さま?アンアンのママ?あのお星さまがアンアンのママ」
空に手を伸ばし、織姫星を掴もうとするアンアン。しかし、開いた手のひらには何もない。
アンアン「じゃあ、パパ。早くママにお空から降りて来るように言って」
パパ「リリー…(ママの名前)」
ママの姿を思い出すパパ。その目は悲しそうだった。
アンアン「パパ、どうしたの?」
パパ「なんでもないよ、アンアン。パパが一つわらべうたを教えてあげよう」
アンアン「うん」
 
迢迢たる牽牛の星
皎皎たる河漢の女
繊繊として 素手を擢げ
扎扎として 機杼を弄ぶ
終日 章を成さず
泣涕 零ちて雨の如し
河漢は清くかつ浅し
相い去ること復た幾許ぞ
盈盈たる 一水の間あり
脈脈として語るを得ず
(※「古詩十九首」其十「迢迢牽牛星」)
 
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
アンアン「盈盈たる一水の間あり、脈脈として語るを得ず…」
パパとの七夕節の夜を思い出し、教えてもらったうたを口ずさむアンアン。

?「盈盈たる一水の間あり、脈脈として語るを得ず…とても素敵なうたね」
どこからか声が聞こえてきたかと思うと、突然、花仙精霊王が姿を現した。
アンアン「あ、あなたは…」
金魚草の精霊王「私は金魚草の精霊王【龍雀】」
アンアン「えっと、私は…」
タバス「花仙魔法使者、シア・アンアン!」
突然の出来事にアンアンが戸惑っているところに、黒い薔薇の花びらをまき散らしながら、迷の王子タバスと黒薔薇男爵メリメが現れた。


  【続く】

※書き下し文はWikipedia「牛郎織女」の項よりお借りしました。

「牛郎織女」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。2021年9月12日7時(日本時間)現在での最新版を取得。