小花仙 日本語訳

中国アニメ「小花仙」を個人の趣味で日本語に翻訳しています。

小花仙第2季第45集 残り三分の一の砂時計

 

ご注意!!

次の二点につきまして、ご理解くださいますようお願い申し上げます。

※こちらの日本語訳は個人が趣味で行っているものであり、公式とは一切関係ありません。

※素人の翻訳のため、訳し間違い、読みづらい点もあるかと思います。参考程度に考えていただけると幸いです。

 

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小花仙第2季第45集 三分之一流沙时

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【大雑把なあらすじ】

イートンと秋麒麟花の精霊王・諦聴の戦いが始まった。完璧美少女として、周りの期待に応えるためだけに生きてきたイートン。しかし、アンアンに出会って彼女の人生は一変した。イートンにとって、アンアンは希望そのものだったのだ。敵でありながらも通じ合うところのある諦聴とイートン。諦聴の「君と友達になりたかった」という言葉を聞き遂げ、イートンはタバスの手中に堕ちた。

 

アンアンとチェンハンの次なる敵は梅の花の精霊王・九千歳。しかし、九千歳は謎の漢詩を詠んだあと、姿を消してしまった。

 

【日本語訳】

 (ナレーション)

鳳仙花の精霊王に敗北したシューシンは、迷の王子タバスの手に堕ちてしまった。シューシンは自分を犠牲にしてアンアンのために時間を稼いつもりだったが、それはタバスの罠であった。

 

 (前回の回想シーン)

麒麟花の精霊王・諦聴との音楽勝負に敗れたアンアン。もう一度チャンスが欲しいと頼むと、その願いは受け入れられた。しかし、勝負ができるのはただ一人。残りの二人はこの場を去らねばならない。音楽が得意なイートンが残り、アンアンたちは次の決戦の場へと向かった。

 

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

麒麟花の精霊王・諦聴「美の花仙魔法使者よ、君のその自信は称賛するが、今の選択は理解できない。失敗したのは彼女なんだから、彼女が残るべきだったのではないかな?」

イートン「秋麒麟花の花言葉は“輝き”。でも、影があるからこそ、光は美しいの」

諦聴「えっ?」

イートン「諦聴大人(ダーレン)、貴方の輝きは決して完璧ではないわ」

諦聴「どういう意味だ…?」

イートン「みんな私のことを“完璧美少女”だと言うわ。でも、この世に“完璧な美”なんて存在しないの。美しすぎるということは、逆に不完全ということだわ」

諦聴「…面白い考え方だね」

 

イートンと諦聴、敵でありながら二人の心は通い合っていた。しかし、これは避けられぬ戦い。二人は会話を続けながら戦いを始めた。

イートン「アンアンに出会う前の私は、人生に楽しみや目標なんてなかった。周りからの称賛を浴びて完璧に生きてきた。でも、そんなのちっとも楽しくなかった。アンアンは足りないところも多いけど、でも、そんなところが人々に前に進もうという希望をあたえるの」

諦聴「君が彼女にチャンスを譲ったとき、君自身がここから逃れる希望は無くなってしまった。君はそのことをわかっているのかい?」

イートン「アンアンはみんなの希望!」

諦聴の攻撃に捕らえられ、イートンは身動きが取れなくなった。しかし、自分の役目を果たしたイートンの表情は晴れ晴れとしていた。

諦聴「本当に驚いたよ。もし、これが成し遂げなければならない使命でなければ、私は君と友達になりたかったよ」

諦聴の言葉を聞き終えたイートンは静かに瞳を閉じた。そして、その体は金色の光の玉に変わり、魔法の鏡を通じてタバスの手に落ちた。

 

タバス「人々は光に照らされた闇の美しさばかりを称賛するが、光の心が闇に包まれていく美しさを知らない」

 

場面は変わって混沌の異世界

チェンハン「アンアン、大丈夫?ケガはない?」

アンアン「大丈夫。でも、なんかイヤな予感がするの。シューシンとイートンは…」

チェンハン「アンアンは本当の【運命の花仙魔法使者】だよ。みんなアンアンのことを信じてるんだから、アンアンも自分のことを信じなきゃ」

 

?「可愛らしいこと」

どこからか声が聞こえてきた。

アンアン「誰?!」

?「あなたたちを待っていたのよ」

花びらが舞いあがり、混沌の異世界はピンク色の世界に変わった。

 

チェンハン「アンアン、見て!」

アンアン「門だ」

アンアンたちの前に突如現れた大きな門。二人が駆け寄ると、その門は跡形もなく消えてしまった。

アンアン「あれ?なくなっちゃった」

チェンハン「あっち!」

門は再び現れたが、二人が駆け寄るとまた消えてしまった。

アンアン「疲れた。からかわれてるのかな」

 

?「ウフフ、面白い?」

先ほどの声がまた聞こえてきた。

チェンハン「もしかして、私たちの時間を無駄にしようとしてるの?こんなの不公平だよ!」

アンアン「タバスは勇気国王族の栄誉に誓ってくれた。絶対にズルはしないって。何の花仙精霊王の仕業なの?!早く出て来て!」

 

門に描かれた梅の絵の中から、一人の精霊王が現れた。

九千歳「私は梅の花の精霊王。みんなは私を“九千歳”と呼ぶわ」

アンアン「九千歳?変な名前だね」

チェンハン「梅、竹、菊、蘭はその高貴さから、尊敬の念を込めて“四君子”と呼ばれているの。そして梅は四君子の長。優雅でありながらしなやかな強さを持つ梅は、古来から人々を魅了してきたの。“九千歳”という言う名前は、彼女に対する敬称じゃないかな」

九千歳「いい子ね。口の上手なこと。いいわ、褒めてくれたお礼に手加減してあげる」

アンアン「ほんと?よかった」

 

九千歳「山光鳥性を悦ばしめ、潭影人心を空しうす。万籟此に倶に寂たり、惟だ鐘磬の音を聞くのみ。」(注)

 

謎の言葉を残し、九千歳は姿を消した。

アンアン「待って!行かないで!」

九千歳が消えた後、地面に梅の絵が現れた。

アンアン、チェンハン「わあ、きれい!」

アンアン「九千歳は不思議だね。話の途中でいなくなっちゃった。私たちは一体何をすればいいの?」

チェンハン「九千歳が言っていたのは…」

アンアン「チェンハン、わかるの?!」

チェンハン「もしかして…」

 

 

【続く】

 

注 書き下し文は下記のサイトよりお借りしました。

常建:破山寺後禅院 - Web漢文大系 (kanbun.info)

https://kanbun.info/syubu/toushisen107.html