小花仙 日本語訳

中国アニメ「小花仙」を個人の趣味で日本語に翻訳しています。

小花仙第二期第12話 願いの星灯


ご注意!!
次の二点につきまして、ご理解くださいますようお願い申し上げます。
※こちらの日本語訳は個人が趣味で行っているものであり、公式とは一切関係ありません。
※素人の翻訳のため、訳し間違い、読みづらい点もあるかと思います。参考程度に考えていただけると幸いです。
 
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小花仙第二季
第12集 祝愿星灯

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※今回のストーリーは前回の回想シーンが多めです
【前回と今回の大雑把なあらすじ】
毎年、七夕節に行われる花港市花火大会。きれいな打ち上げ花火とともに、川には多くの灯籠が流される。その中の特別な一つ、【星灯】を手に入れた者は何でも願いが叶うという。その星灯がどうしても欲しいアンアン。そして、今年の灯籠を流す係は憧れのワンクーお兄さん。お兄さんが自分のためにこっそり取っておいてくれることを、アンアンは夢見ていた。
 
花火大会に向かう途中、子供の頃にパパに教えてもらった詩を口ずさんでいると、その詩の美しさに惹かれ、金魚草の精霊王【龍雀】が現れた。そして、それを横取りしようと迷の王子タバスも現れた。タバスの花仙精霊王、朱頂紅【蓮華】の攻撃をまともに受けたアンアンは、幻覚の世界へと飛ばされてしまう。過去の思い出と現在の願望の世界を彷徨うアンアンだったが、仲間たちの助けにより正気に戻り朱頂紅精霊王を撃退、タバスに勝利した。
 
戦っている間に花火大会は終わり、特別な星灯はおろか、普通の灯籠も全て流れ去っていった。アンアンはまた来年があると言ったが…。
 
【日本語訳】
 (ナレーション)
一年に一度の七夕節、花港市はお祭りムードに包まれていた。七夕節の衣装に着替えたアンアンたちが花火大会へと急ぐ途中、金魚草の精霊王【龍雀】が現れた。アンアンがママを想って口にした詩に引き寄せられたのだ。
 
(アンアンの回想シーン)
七夕節の思い出。
小さいアンアンはパパと二人で流れて来る灯籠を眺めている。
パパ「ごらん、星灯はママからアンアンへのプレゼントなんだ」
アンアン「ママ…」
パパ「リリー…」
ママの姿を思い浮かべるパパ。そして、古い詩を朗読し始める。
 
迢迢たる牽牛の星
皎皎たる河漢の女
繊繊として 素手を擢げ
扎扎として 機杼を弄ぶ
終日 章を成さず
泣涕 零ちて雨の如し
河漢は清くかつ浅し
相い去ること復た幾許ぞ
盈盈たる 一水の間あり
脈脈として語るを得ず
(※「古詩十九首」其十「迢迢牽牛星」)
 
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
アンアン「盈盈たる一水の間あり、脈脈として語るを得ず…」
パパとの七夕節の夜を思い出し、教えてもらった詩を口ずさむアンアン。
?「盈盈たる一水の間あり、脈脈として語るを得ず…」
アンアン「えっ?」
?「とても素敵な詩ね」
どこからか声が聞こえてきたかと思うと、突然、花仙精霊王が姿を現した。
アンアン「あ、あなたは…」
金魚草精霊王「私は金魚草の精霊王【龍雀】」
アンアン「えっと、私は…」
タバス「花仙魔法使者、シア・アンアン!」
突然の出来事にアンアンが戸惑っているところに、黒い薔薇の花びらをまき散らしながら、迷の王子タバスと黒薔薇男爵メリメが現れた。
タバス「哀れな地球の少女よ。私がお前の願いを叶えてやろう」
アンアン「私の願いを叶えられるの?」
タバス「もちろん。出でよ、朱頂紅精霊王【蓮華】!」
タバスに召喚されて、アマリリスの精霊王【蓮華】が現れた。
蓮華が指を鳴らすと、指先から青い炎が現れてアンアンの体を包み込んだ。すると、アンアンは催眠術にでもかかったかのように、正気を失っていった。
タバス「あの願いの星灯を手に入れて、好きな人と共にお前のママに会うがいい…」
アンアン「好きな人…」
ククル「アンアン、見るな!アンアン!」
アンアン「ママ…」
青い炎を見つめているうちに、アンアンは幻覚の世界へと迷い込んでしまった。
 
(アンアンの幻覚の世界・子供の頃の思い出)
パパと二人で土手に座って、七夕節の星灯を眺める小さいアンアン。自分だけママがいない悲しみをパパにぶつける。
アンアン「アンアンもママが欲しいよ」
パパ「アンアン、ごらん。あんなにたくさんの星灯が流れてる。きれいだね。アンアン、前にパパが言ったことを覚えているかい?ママはお空で一番きれいな仙女様なんだ」
アンアン「うん」
パパ「仙女様のママにはやらなくてはいけない大切なことがあって、アンアンと一緒にいられないんだ。だけど、ママはずっとアンアンのことを見ているよ」
アンアン「ほんと…?」
パパ「もちろんだよ。ごらん、星灯はママからアンアンへのプレゼントなんだ」
アンアン「ママ…」
 
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
(アンアンの幻覚の世界・現在)
アンアン「星灯!」
星灯を求めて走るアンアン。
?「アンアン!」
すると、誰かに呼び止められた。アンアンが振り向くと、そこには憧れのワンクーお兄さんが立っていた。手にはアンアンが欲しがっていた星灯を下げている。
お兄さん「アンアンはこの特別な星灯をすごく欲しがってたからね。アンアンのためにこっそり隠しておいたんだ」
アンアン「お兄ちゃんが私のために隠しておいてくれたの?」
お兄さん「そうだよ。アンアンが望んだことでしょう?」
アンアン(えっ、そうだけど。何かがおかしいような…)
 
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ククル「アンアン、アンアン!早く起きろ、早く起きろ!」
幻覚に飲まれ、前後不覚になっているアンアンを必死で呼び覚まそうとするククル。戦えないアンアンに代わり、チェンハンが朱頂紅精霊王と戦っている。
ルル「朱頂紅の力は、人を幻想の中で彷徨わせることができるの。急いでアンアンを起こさないと!」
朱頂紅精霊王の攻撃がチェンハンを襲う。必殺技で対抗するチェンハン。
チェンハン「リン!リン!リン!愛の心よ、氷を解かし、人々に温もりを与え、全ての美しい命を呼び覚ましなさい!…はあ、すぐにパワーが切れちゃう」
しかし、愛の攻撃は体力を激しく消耗させるため、チェンハンはその場にへたり込んでしまった。
ルル「チェンハンが危ないの!…花仙魔法使者、あなたの力が必要なの!」
ルルが必死に呼び覚まそうとするも、アンアンは前後不覚のままだ。
朱頂紅精霊王の攻撃がアンアンたちを襲う。
ククル「古霊仙ディフェンス!」
ククルが反撃を試みるも、全く歯が立たない。
すると、金魚草精霊王があの詩を朗読し始めた。
 
迢迢たる牽牛の星
皎皎たる河漢の女
繊繊として 素手を擢げ
扎扎として 機杼を弄ぶ
終日 章を成さず
泣涕 零ちて雨の如し
河漢は清くかつ浅し
相い去ること復た幾許ぞ
盈盈たる 一水の間あり
脈脈として語るを得ず
 
河漢は清くかつ浅し
相い去ること復た幾許ぞ
盈盈たる 一水の間あり
 
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
(アンアンの幻覚の世界)
憧れのワンクーお兄さんが特別な星灯を手に下げ、目の前に立っている。
アンアン「盈盈たる一水の間あり、脈脈として語るを得ず…」
我に返りかけるアンアン。ククルとのやり取りを思い出す。
 
(アンアンの回想シーン)
アンアン「ワンクーお兄ちゃんが私のために、星灯をこっそり残しておいてくれたらいいのにな~」
ククル「チェッ!ヤツに陰でコソコソやらせる必要ねーだろ。オレ様なら堂々と取って来られるぜ。オマエが必死でオレ様に頼むなら、取ってきてやらないこともないぜ」
 
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
アンアン「ククル?!」
徐々に我に返りつつあるアンアン。
アンアン「ワンクーお兄ちゃん…」
お兄さんの様子がおかしい。背中に禍々しい悪魔の羽が見えるのだ。アンアンが目をこすり、改めてよく見ると、お兄さんの姿はタバスへと変わった。
アンアン「どうして?迷の王子?!」
タバス「哀れな地球の少女よ。幻想の中を彷徨い続けていさえすれば、お前の願いは叶うのだ」
アンアン「ちがう!こんなの嘘だ!チェンハン、ククル、どこ?!」
?「アンアン!」
アンアン「誰かが呼んでる」
?「がんばれ、負けるな!がんばれ、アンアン!」
アンアン「あ…」
ククル「アンアン!」
アンアン「ククル?!」
仲間からの呼びかけで、アンアンは完全に正気に戻った。
ククル「よかった、起きたか!」
アンアン「心配かけてごめん」
ククル「アンアン、早く!」
アンアン「うん!」
 
アンアン「花仙魔法使者シア・アンアン、変身!花の精霊たちよ、勇気と使命を我に与えよ。愛、美、智の力よ、全ての美しきものを集めよ。魔法のパワー集結!…花仙魔法使者よ、女神様の呼び声を聞き、精霊たちの聖歌に耳を傾けよ。花仙の翼!」
 
アンアンの必殺技が朱頂紅精霊王を撃破。
タバス「花仙魔法使者よ、ゆっくりとこの戦いを楽しむことにしよう」
アンアンに大敗したにも関わらず、余裕の笑みを浮かべてタバスたちは去っていった。
 
場面は変わって、花火大会が終わった後の川辺。
チェンハン「残念だね。灯籠は全部流れていっちゃった」
アンアン「ううん。また来年頑張ろう」
ククル「アンアン…」
アンアン「ありがとう、ククル。私を守ってくれて。そして、私を導いてくれて」
ククルの頬に感謝のキスをする。
アンアン「盈盈たる一水の間あり、脈脈として語るを得ず。…私を呼び覚ましてくれてありがとうございます」
金魚草精霊王に感謝の言葉を告げる。
アンアン「銀河に隔たれて会うことができなくても、心が一つなら、それは幸せなことなんだ」
金鱼草精霊王「惑わずに真の心を求める。…花仙魔法使者、私はあなたを認めます」
 
アンアン「偉大なる花神ププラ様を証人とし、花仙魔法使者の名をもって、あなたと契約を結びます!【龍雀】!」
 
金鱼草の精霊王【龍雀】、花仙魔法使者と契約完了。花の法典に封印。
 
場面は変わって、みんなが寝静まった夜中。
ククル「お、重…」
ククルは小さな体で、アンアンが欲しがっていたあの星灯を運んでいる。そして、アンアンの枕元に置いたとたんに倒れこんでしまう。
 
 (ククルの回想シーン)
アンアンたちが星灯をあきらめて家に帰った後、ククルは一人で先ほどの川辺に来ていた。
 
ククル「ハア、普通の灯籠さえ一個も見つからないんじゃ、あの特別なヤツは見つかりっこないよな。…アンアンは何も言わなかったけど、すごく欲しがってたよな。あ、あれは…」
ククルがあきらめかけたその時、あの特別な星灯がククルの目の前を流れていった。
 
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ククル「アンアン、素敵な七夕節を。お前の願いが叶いますように…」
幸せそうに眠るアンアンの横で、ククルも静かに眠りに落ちた。
 
【続く】
 ※書き下し文はWikipediaより、「牛郎織女」の項をお借りしました。詩の意味も書かれているので、ぜひご覧ください。

「牛郎織女」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。2021年9月12日7時(日本時間)現在での最新版を取得。