小花仙 日本語訳

中国アニメ「小花仙」を個人の趣味で日本語に翻訳しています。

小花仙第2季38集 闇を突き刺す誇り高き金色の花

 

ご注意!!

次の二点につきまして、ご理解くださいますようお願い申し上げます。

※こちらの日本語訳は個人が趣味で行っているものであり、公式とは一切関係ありません。

※素人の翻訳のため、訳し間違い、読みづらい点もあるかと思います。参考程度に考えていただけると幸いです。

 

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小花仙第2季第38集 刺破黑暗!金色荣耀花!

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【大雑把なあらすじ】

王子同士の戦いに守護精霊は手出しをしてはならないという【試練の約】に背き、ククルを攻撃した黒薔薇男爵メリメ。健闘も虚しくククルがメリメの前に倒れたその時、ククルの守護精霊、マンダーが姿を現した。マンダーと戦えることを喜ぶメリメ。マンダーがアーサー亡き後も古霊仙族を守り続けているのは騙されているからだと信じきっているメリメは、戦うことでマンダーを古霊仙族から解放しようとしていた。

 

互角の勝負を続けていたマンダーとメリメだったが、最終的にマンダーが勝利した。しかし、そのために全ての力を使い切ったマンダーの体は消えかけていた。泣いて縋るククルにマンダーは最後の言葉をかける。古霊仙族の継承者は強くなくてはいけない。ククルならきっとできると…。泣きながら誓うククルの言葉を聞き遂げ、マンダーは静かに消えていった。

 

【日本語訳】

メリメが目を開けると、そこにはマンダーが立っていた。

メリメ「マンダー殿下」

先ほどまで森だったそこは、いつしか金色の光につつまれたまばゆい世界に変わっていた。

マンダー「お前は【試練の約】に背いた」

戸惑うメリメにマンダーは冷たく言い放つ。気違いじみた笑いを浮かべ、メリメは恭しく頭を下げて慇懃な態度で話し始めた。

メリメ「私の愛しいマンダー殿下、千年の時が過ぎ去り、闇色の姿に変わっても、なぜ貴方はそのように気高いままなのでしょう…そのような目で私を見ないでください。清らかな貴方を前にして、私は身の置きどころもございません。…とでも言うと思ったか!ふざけるな!」

言葉が終わるや否や、剣で襲いかかるメリメ。

マンダー「お前はただの気違いだ」

マンダーの冷たい言葉に、メリメの攻撃は一層激しさを増す。

メリメ「貴方に捨てられ闇に堕ちたときから、私はとっくに狂っている!」

メリメの渾身の一撃を、マンダーはマントを翻し軽くかわす。

メリメ「貴方の圧倒的な美しさは金色の光のように人を突き刺す」

マンダーは次の攻撃もたやすく素手でいなした。

メリメ「暗黒の力をもって、跡形もなく焼き尽くしてくれる!」

マンダー「どのように言葉を飾ろうと、心の悪を抑えきれず、方向を見失い、魂に背き、精霊王の精神を汚したのだ。私は精霊王の継承者として、お前に罰を与えねばならない。万象聚集!」

呪文で召喚した剣を手に、マンダーは攻撃を開始した。マンダーが本気になったのを見て、メリメは気の触れたような笑い声をあげた。

メリメ「私はこの日が来るのを待っていた。千年も待ち続けた!」

激しく何度も剣を交わす二人。だが、力は互角でなかなか決着がつかない。

 

メリメ「マンダー殿下、貴方の力はこの程度か?貴方は古霊仙族との偽りの誓いに惑わされ、永遠の守護契約の鎖につながれてしまった。貴方はご存じか?貴方の臣民たち、そして貴方のことを魂から慕う者がどれほど失望したのかを!」

マンダーの剣を受けながら、積年の怨みの言葉を吐くメリメ。

マンダー「だからお前は闇に堕ち、裏切りと破滅の道を選んだのか」

メリメ「束縛の深淵から、私が貴方を解き放ってさしあげます。奴らのような凡人が貴方の輝きに釣り合うはずがないのです!」

微かな笑みを浮かべながらそう叫ぶと、メリメの背後から黒い大蛇が現れた。

メリメ「水神太陰、玄冥声戻!」

呪文と共に剣を振るうと、大蛇がマンダーの体に巻き付き、その体を締めあげた。マンダーは必死でもがいたが、抵抗もむなしく大蛇に飲み込まれてしまった。

 

メリメ「眩い金色の輝きよ…」

その様子を満足げに見届け、メリメが背を向けて去ろうとしたその時…。

マンダー「七境輪山海、重洲復重洲、一花一世界、一木一浮生…」

どこからともなく呪文が聞こえてきた。

メリメ「なんだ?」

メリメが振り返ると、マンダーを飲み込んだ大蛇が苦し気にのたうち回り、体のあちこちから金色の光が漏れ出ていた。

マンダー「浩淼引星辰、天罡度正気、身得須弥印!」

最後の呪文を呟くと、マンダーの姿はかつての美しい金色へと変わった。マンダーの放った一撃は大蛇を瞬時に仕留め、そののちに金色の龍へと変わった。メリメは龍の攻撃を避けることができず、金色の光に飲み込まれていった。

 

場面は変わって、混沌の異世界

紅蔵花精霊王の治療により、繭の中に入れられたタバス。傷が完治すれば自然と繭からでられるという。すると、激しい光を放ち繭消滅した。どうやら、タバスの傷は完治したようだ。

タバス「これは…」

ククル「アンアン、起きろ!アンアン!」

黒い花びらを頬に受け、意識を取り戻したタバス。そこは地球の森の中だった。目の前には囚われの身となり、意識のない魔法少女、三仙女、そして雪蓮花と紅蔵花の精霊王。その傍らで、ククルは倒れたアンアンの手を握り泣いている。

タバス「どういうことだ?あの地球の庶民たちはどうしたんだ?」

ククル「オマエだ!全部オマエのせいだ!」

タバスに気づき、泣きながら激しく責める。

タバス「私…?」

ククル「黒薔薇男爵のヤツが騙したんだ。オマエの傷を治してやったら、オマエらが奪っていった精霊王を返してくれるって言ったんだ。なのに、ヤツは約束を破ったんだ。オマエらは悪いやつだ!」

タバス「そういうことか。なら、黒薔薇男爵はどうした?」

ククル「知るもんか。悪いことばっかりしてたから、いきなり現れた金色の光にさらわれて行った。…オ、オマエ、何する気だ?」

タバス「ならば、お前らに礼を言わねばなるまいな。私を助けてくれて感謝する」

言葉とは裏腹に、槍の先をククルに向ける。タバスが槍を振りかざしたその時、強烈な光が差し、マンダーとメリメが姿を現した。メリメの異変に気付き、タバスは急いで近寄った。

タバス「黒薔薇!」

メリメ「王子、ご無事で…」

タバス「お前!」

メリメ「よかった、よかった…」

絶え絶えの息でタバスの無事を見届け安堵するメリメ。苦し気にうめくも、自分の体を貫く金色の光を見つめ、満足げな笑みを浮かべた。

メリメ「暗黒を貫く、輝ける金色の花…。ハハ」

体を貫く光が一層の輝きを増すと、メリメの瞳は閉じられ、その体からは全ての力が失われていった。

タバス「黒薔薇!メリメ!」

片手でメリメの腰を抱き名前を呼ぶも、返事は帰ってこなかった。あたり一面に黒い花びらが舞い散ると、メリメの姿は消え去り、黒薔薇の【精元】だけがタバスの手の上に残った。苦悶の表情でメリメの精元を握りしめ、タバスは静かに闇の世界へと帰って行った。

 

マンダー「メリメ…」

神妙な表情でかつての友の名前を呟くマンダー。

しかし、感傷に浸る間もなく、ククルが飛びついてきた。

ククル「マンダー、マンダー!オレにはわかってた、わかってたよ。ありがとう、オレの守護精霊王、古霊仙族の金色の輝き!」

マンダー「私の王子よ、よくやった。ほんとうに…」

嬉しそうに頭をこすりつけてくるククルを優しく抱き、何度も頭を撫でてやる。メリメがいなくなったことにより術は解け、魔法少女たちは元の姿に戻ることができた。そして、紅蔵花精霊王の治療のおかげで、ようやくアンアンも意識を取り戻した。

 

チェンハン、イートン、シューシン「よかった!アンアン、大丈夫?」

アンアン「大丈夫。ククルは?」

アンアンが顔を上げると、そこには目に一杯涙を浮かべ不安そうに自分を見つめるククルがいた。

アンアン「ありがとう。ククル王子」

ククル「アンアン!」

我慢できず、泣きながらアンアンに抱き着くククル。

アンアン「アハハ。ククル、かっこよかったよ」

 

紅蔵花精霊王(琥珀)「マンダー殿下」

マンダー「琥珀大人、申し訳ない。再びお会いできたのに、このような無様な姿をお見せするとは」

琥珀「いえ、貴方は精霊王国の至上の輝きです。古霊仙族は千年の時を経て、ついに新たな王を迎えたのです」

マンダー「琥珀大人、どうかククルとあの地球の少女たちを助けてやってください。彼らが邪悪に打ち勝てるように」

言い終わると、マンダーの体は金色の光に包まれ、少しずつ消えていった。

琥珀「マンダー殿下!」

ククル「どうした?」

アンアン「マンダー王子の体が少しずつ消えていく…」

ククル「どうして?どうして?!マンダー、マンダー!どうしたんだ?」

アンアン「琥珀大人、マンダー王子を助けてください。怪我をしてるみたい」

琥珀「マンダー殿下は怪我などしていない」

ククル「じゃあ、どうしたんだよ」

琥珀「殿下は最後の力を使い切り、まもなく消えるのです」

ククル「嘘だ!マンダーは一番すごい精霊王だ。マンダーが消えたりなんかするもんか!」

琥珀の言葉を受け入れられず、涙を流してマンダーの傍に寄るククル。最後の力を振り絞り、マンダーはククルに最後の言葉を残した。

マンダー「私の王子よ、あなたは古霊仙族の王で、アーサーの意志を継ぐ者だ。あなたは強くなくてはならない。あなたがラベル大陸に平和をもたらす日を楽しみにしています。私と約束してください。ククル、あなたならできるでしょう」

最期の瞬間、アーサーの姿を思い浮かべたマンダーの表情はとても穏やかだった。

ククル「約束する!約束するよ!オレを置いていかないで!」

泣き叫びながらマンダーに誓うククル。

マンダー「契約成立」

最期の言葉を口にすると、マンダーは金色の【精元】に姿を変え、ククルの手の上に落ちた。

 

 

【続く】