小花仙 日本語訳

中国アニメ「小花仙」を個人の趣味で日本語に翻訳しています。

小花仙第2季第35集 黒薔薇の棘

 

ご注意!!

次の二点につきまして、ご理解くださいますようお願い申し上げます。

※こちらの日本語訳は個人が趣味で行っているものであり、公式とは一切関係ありません。

※素人の翻訳のため、訳し間違い、読みづらい点もあるかと思います。参考程度に考えていただけると幸いです。

 

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小花仙第2季第35集 黑暗玫瑰的倒刺

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【大雑把なあらすじ】

迷の王子タバスの策略により、仲間との絆を断ち切られたアンアンだったが、タバスの自滅により日常を取り戻すことができた。この事件をきっかけに、お互いの友情を再認識したアンアンたちは、思い出作りのために川に遊びに来た。きれいな石を集めて楽しんでいたところ、ある不思議な石を見つける。それは中に花を閉じ込めた琥珀の石だった。

 

すると、そこに黒薔薇男爵メリメが単身で乗り込んで来た。黒魔法の副作用でタバスが瀕死の状態であるため、アンアンたちに助けを求めに来たのだ。タバスの傷を治してもらう代わりに、タバスが封印した精霊王のカードと【精元】(精霊王の元となるもの)を全てアンアンに返し、今後一切敵対しないという条件を提示してきたメリメ。最初はメリメの言動を疑っていたが、たとえ敵であろうと見殺しにすることはできないと、アンアンは雪蓮花精霊王・吉祥を召喚し、タバスの治療にあたらせた。しかし、タバスの傷は深く、吉祥では治すことができなかった。落胆するアンアンだったが、吉祥は琥珀の石の中に眠る花こそが治療を司る偉大な【薬王】、蔵紅花精霊王・琥珀であると告げる。そして、吉祥は自らの力を使い、琥珀の石に眠る薬王を目覚めさせた。

 

メリメがその場にいることに気づいた薬王は、メリメを王族の反逆者となじる。しかし、メリメは気にした様子もなく、タバスの傷を治してくれさえすれば全ての罪を償うと誓った。そして、それはククルの守護精霊マンダーを元の金色の姿に戻すことを意味していた。マンダーのために必死で懇願するククル。ククルの必死の願いを聞き入れた薬王は、タバスの治療にあたることにした。

 

薬王の治療により生命の危機を脱したタバス。ククルはメリメに約束通り、タバスの封印した精霊王のカードと精元を返すよう催促する。メリメはククルの言葉に従い、約束のものをククルに渡そうとした。しかし、その瞬間、メリメは呪文を唱えてアンアンとククル以外の全員を黒水晶の中に閉じ込めてしまった。突然の出来事に茫然とするアンアンとククル。全てはメリメの策略だったのだ。

 

【日本語訳】

迷の王子タバスが召喚した忘憂の精霊王・黒川主により、記憶の糸を断ち切られ、バラバラになってしまったアンアンと仲間たちとの絆。しかし、ククルが小指に描いた“赤い糸の魔法”のおかげで、アンアンはククルのことを思い出しかけていた。そしてその頃、黒魔法に頼りすぎたタバスはその反動で瀕死の状態に陥ってしまった。混沌の異世界へとタバスを連れ戻し、治療を施そうとした黒薔薇男爵メリメであったが、黒魔法で受けた傷は深く、どうすることもできずにいた。

 

ある日、花仙魔法使者たちはみんなで川に遊びに来ていた。

アンアン「わあ!この石ハート形だ!」

ククル「オレにも見せろ!…ほんとだ!」

 

 (アンアンによるナレーション)

忘憂精霊王の記憶喪失事件のあと、みんな友情をもっと大切にするようになったみたい。この大切な宝物を守るために、私たちは共通の思い出をたくさん作ることにしたんだ。友達さえいれば全て上手くいく。世界も毎日も全てが輝いて見える。この素敵な宝物をしっかり心に刻んで大切に守っていくんだ。そう、ずっと、永遠に…。

 

シューシン「きれいな石がたくさんだね」

かごの中にはみんなで集めた石がたくさん入っている。

チェンハン「うん、みんな一個ずつ記念に持とうよ」

イートン「見て!この石面白いよ!」

かごの中からイートンがある石を拾い上げる。その石は中に花を閉じ込めた不思議な石だった。

チェンハン「きれい!石の中にお花が咲いてるみたい」

 

何かに気づいたシューシンは、その石を手に取ってじっくりと眺めた。

シューシン「この石は、…琥珀かな?」

アンアン「えー、ほんとだ」

ククル「不思議だな。なんで石の中に花があるんだ?」

シューシン「琥珀は植物性の樹脂なの。何かの拍子で動物や植物が中に入ることもあるんだ。琥珀は長い時間を経て化石になったもので、中には数千万年前のものもあるんだよ。だから、とっても貴重なんだ」

アンアン「わあ!じゃあこの花は何の花かわからないんだね」

 

突然強い風が吹き、辺り一面が黒薔薇の花びらで覆い尽くされた。

黒薔薇男爵メリメ「地球の花仙魔法使者たちよ!」

黒薔薇の花吹雪の中から、黒薔薇男爵メリメが現れた。

アンアン「く、黒薔薇男爵!」

 

アンアン、チェンハン、イートン、シューシン「花仙魔法使者、変身!」

急いで花仙魔法使者に変身するアンアンたち。

 

しかし、いつもとどこか様子が違う。迷の王子タバスがいないのだ。

アンアン「あれ?迷の王子は?どうせどこかに隠れて何か企んでるんでしょ?早く出てきなさい!」

しかし、タバスは現れなかった。メリメは神妙な面持ちで恭しく口を開いた。

メリメ「突然の訪問をお許しください。今回はお願いがあって参ったのです。どうか信じてください」

アンアン「お願い…?」

イートン「そんなの信じると思ってるの?!」

メリメ「誠に恐縮ではありますが、皆さまの力をお貸しいただきたく参りました」

いつもとは違うメリメの態度に、アンアンたちは戸惑いを隠せない。

イートン「何が望みなの?!」

メリメ「迷の王子タバス様は黒魔法の反動で生死の境を彷徨っております。花の法典の所有者である貴女様にお願いがございます。治療を司る精霊王の力をお貸しいただき、タバス様を助けていただけないでしょうか」

チェンハン「アンアンに迷の王子を助けて欲しいってこと…?」

シューシン「そもそも迷の王子が黒魔法なんて使わなければこんなことにはならなかったんじゃ…」

タバスを助けることに乗り気じゃない花仙魔法使者たち。しかし…。

アンアン「ちょっと考えさせて…」

ククル「アンアン!ヤツを助ける気か!」

アンアン「でも、見殺しにするわけにはいかないよ…」

メリメ「感謝いたします!花仙魔法使者!」

アンアンの迷いに乗じて事を進めようとするメリメ。

ククル「オマエ、狂ったか?!」

メリメ「タバス王子はとても可哀そうな方なのです。ただシモン王子に認めてもらいたくて、あのようになさっているのです」

イートン「フン!あいつの言うことなんか信じちゃだめだよ!」

メリメ「もしお助けいただけるのなら、王子が封印した精霊王のカードと【精元】(精霊王の元となるもの)を全て貴女様にお返しします。そして、今後いっさい貴女様のお邪魔をいたしません」

チェンハン「全部アンアンに返す…。アンアン…?」

ククル「ほんとか?」

メリメ「もちろんです」

メリメはアンアンたちに精霊王のカードと精元を見せた後、異世界からタバスを呼び寄せた。しかし、タバスはぐったりし、今にも死にそうだった。

メリメ「私にとって、王子の命は何物にも代え難いのです」

メリメの言葉を信じられないククルは首を横に振り、この提案を断るように促した。しかし、アンアンは断ることができなかった。

アンアン「ククル、やっぱり見殺しにすることはできないよ。たとえ最後に私たちが勝ったって、きっと後味が悪いと思う…」

観念したククルはそっぽを向きながら言った。

ククル「ハァ…、わかった。好きにしろ」

 

アンアン「花神ププラ様を証人とし、花仙魔法使者の名をもって召喚します!出でよ、吉祥!」

 

アンアンに召喚され、雪蓮花精霊王・吉祥が現れた。

 

メリメ「吉祥大人(ダーレン)、どうか迷の王子をお助けください」

吉祥はメリメの真剣な願いを聞き入れ、タバスに治療を施した。しかし、タバスの傷はあまりに深く、吉祥の力ではどうすることもできなかった。

 

吉祥「申し訳ない、花仙魔法使者よ。黒魔法の傷はあまりに深く、私ではどうすることもできません」

アンアン「えっ、吉祥でも無理なの…」

吉祥「貴女にはもっと力のある花仙精霊王がいるではありませんか。彼ならばきっと容易に治せるでしょう」

アンアン「え?」

吉祥「花仙魔法使者よ、【薬王】殿下がこの場にいらっしゃるのに、なぜ彼に助けを求めないのですか?」

アンアン「いないよ。薬王って誰?」

アンアンの言葉に溜息をつき、吉祥は言葉を続けた。

吉祥「その琥珀の中に眠る花こそが【薬王】その人なのです」

吉祥が両手を広げると、シューシンの手にあった琥珀の石が強い光を放ち始めた。

 

アンアン「薬王?それって何の花?」

メリメ「薬王?もしや蔵紅花精霊王の【琥珀】殿下のことでしょうか?」

メリメの眼が妖しく光る。

 

吉祥が琥珀の石に力を注ぐと、中から一人の精霊王が現れた。彼こそが蔵紅花精霊王・琥珀である。

薬王(蔵紅花精霊王・琥珀)「君か。我が友、吉祥よ」

吉祥「琥珀殿下」

静かに再会の挨拶を交わす二人。

 

薬王「汝が伝説の花仙魔法使者か」

アンアン「そうです、薬王大人。迷の王子の傷を治してくれますか?」

薬王はアンアンの願いには答えず、メリメをきつく睨みつけた。

薬王「黒薔薇男爵、王族の反逆者…!」

しかし、メリメは気にした風もなく、恭しい態度で薬王との再会を喜んだ。

メリメ「精霊国で最も至高な存在でいらっしゃる【薬王】琥珀大人、再びお目にかかれて幸栄です。あの時から千年の時が流れたのでしょうか。最後にお目にかかったのはマンダー王子の“誓いの儀式”のとき…」

薬王「よくもその名を口にできたものだ!マンダー殿下は汝を信じていたというのに…」

メリメ「どうか怒りをお鎮めください。タバス王子の傷を治していただければ、私は全ての罪を償いますので…」

メリメの言葉にハッとするククル。

ククル「マンダーを元の姿に戻せるってことか?!オマエの言ってることは本当か?!」

メリメ「もちろんでございます」

ククルはしばし考え込み、薬王に手を合わせて頼んだ。

ククル「お願いです…」

薬王「承知した。(メリメの言葉を)ひとまず信じよう。…万邪帰位!」

薬王が治癒の呪文を唱えると幾筋もの強い光が放たれ、その光は繭のようにタバスの体を包み込んだ。

薬王「繭が破れるとき、彼の傷は治っていることだろう」

アンアン「本当にありがとう!」

タバスが死なずに済んだことを、アンアンは心から喜んだ。

メリメ「本当に感謝いたします。薬王大人、そして地球の花仙魔法使者たちよ」

梅里美は恭しい態度で感謝の言葉を口にした。

 

ククル「おい、早く約束の精霊王を返せよ!オマエ、返すって言ったよな?」

メリメ「もちろんです」

そう言って、メリメは片手を上げた。すると、タバスが封印した精霊王のカードが再びククルたちの目の前に現れた。ククルはそれを見て喜んだが…。

 

メリメ「玄蛇封禁!」

メリメが呪文を唱えると、強い光がその場を包み、アンアンは思わず目を閉じた。そして、アンアンが再び目を開いた時、目の前には信じられない光景が広がっていた。アンアンとククル以外の全員が、黒水晶の中に閉じ込められていたのだ。突然の出来事に唖然とするアンアンとククル。

 

しかし、茫然と立ち尽くす二人を見て、メリメは笑いながら言った。

 

メリメ「もちろん、お前たちを騙したのさ!」

 

 

【続く】