小花仙 日本語訳

中国アニメ「小花仙」を個人の趣味で日本語に翻訳しています。

〜 劇場版小花仙:奇跡の少女 〜 大雑把なあらすじ

 

迷の王子タバスとの戦いに勝利したアンアン。しかし危機は去っていなかった。【花の法典】と精霊王たちをタバスから取り返すことができなかったからだ。ラベル大陸と地球の平和を守るため、アンアンとククルはラベル大陸へと渡った。

 

タバスたちの目的は、ラベル大陸に眠る巨大な力【神秘の力】を手に入れること。そのためには花の法典と花仙精霊王を集めるだけでは足らず、花の法典の番人である【不滅忍精霊王】に己の強さを認めさせる必要があった。しかし、不滅忍精霊王の体は既に滅び、残っているのはその心だけだという。そして、その心は三等分にされ、ラベル大陸の三国(古霊仙族、勇気国、風沙国)の王がそれぞれ所有していた。そして、それが不滅忍精霊王復活の唯一の手掛かりであった。

 

不滅忍精霊王の心はいつしか王位継承の証となり、【伝承の星】と呼ばれるようになった。古霊仙族の伝承の星はククルの1000年前の先祖のアーサーが持っていた。彼はククルが一族の新しい王として相応しいかを見極めるため、この世に蘇ってククルに戦いを挑んだ。アーサーの強さにククルは終始劣勢であったが、戦ううちに王者としての自覚に目覚め、ついにアーサーに勝利する。古霊仙族の継承者として認められたククルは、アーサーから伝承の星と王剣【王者の証】を受け継ぐ。そして、伝承の星の力と彼の勇気により呪いは解け、ククルは本来の少年の姿に戻った。

 

勇気国の伝承の星は、王座のひじ掛けの中に隠されていた。そこはタバスと彼の兄、シモンの思い出の場所だった。幼い頃、タバスはふざけて王座のひじ掛けを壊してしまったことがあった。父王に怒られると怯え泣くタバスを可哀そうに思ったシモンは、自分が壊したことにしてタバスを守ろうとする。幼いタバスもそれがいけないことだとわかっていたが、兄の優しさに甘えてしまう。そして現在、勇気国に攻め込んだタバスは、思い出の場所で勇気国の伝承の星を見つける。

 

風沙国の伝承の星は、秘密の楼閣の中に祀られており、アンアンたちがその場所を知る術はなかった。しかし、アンアンたちの前に謎の青年が現れる。彼は言う、自分は風沙国の伝承の星の在りかを知っていると。ククルはこの青年を怪しんだが、アンアンは彼の人柄を信じ、彼に着いて行くことにした。そして、彼の案内のおかげで風沙国の伝承の星を見つけることができた。しかし、そこにタバスとメリメが現れる。彼らの狙いも同じ、風沙国の伝承の星だ。そのとき、不滅忍精霊王が突如蘇る。彼女の心である3つの伝承の星が一堂に会したため、その体が復活したのだ。

 

我先にと不滅忍精霊王の元へと向かうタバス。そして、それを阻止するククルとエドウィン。ククルたちがタバスを足止めしている隙に、アンアンは不滅忍精霊王に戦いを挑む権利を手に入れる。アンアンに先を越されて激怒したタバスはククルを攻撃、そしてククルもこれに応戦し、王子同士の本気の戦いが始まった。しかし健闘も虚しく、ククルはタバスに敗北する。そして、タバスがククルにとどめを刺そうとしたその時、ククルの守護精霊であるマンダーが蘇る。マンダーはククルを守り、そして悪行を繰り返すメリメに制裁を下し、メリメを永遠に亡き者にする。

 

自分の守護精霊を殺されたタバスは深く悲しみ、悪魔の眼を封印している目隠しを外そうとする。そして、それを謎の青年が慌てて止める。謎の青年の正体はタバスの兄シモンで、タバスを勇気国に連れ戻すために風沙国に来たのだ。しかし、兄との再会にタバスの情緒はさらに乱れ、ついに目隠しを取ってしまう。自暴自棄になったタバスはその体を暗黒魔神に捧げてしまったのだ。

 

弟を取り戻すため、危険を顧みずにシモンは暗黒魔神と対峙する。暗黒魔神と化したタバスは己の苦悩を語り始める。悪魔の子として生きてきたタバスの苦しみを聞き、シモンは暗黒魔神(タバス)を強く抱きしめる。すると、シモンの深い愛に触れた暗黒魔神は、うめきながらタバスの体から消えていった。

 

シモンが目を開けると、そこはタバスの記憶の世界だった。記憶の中のタバスは勇気国の王座を壊して泣いていたあの頃の子供だった。自分の過ちを深く悔やむタバスを見て、シモンは覚悟を決めて告げる。「王座を壊したのはタバスだ。でも、それはたいしたことではない。タバスはもう十分に反省した。自分の過ちを認めるのは最も勇敢なことだ。だから、タバス、一緒に勇気国に帰ろう」と。シモンの言葉にタバスは素直に頷き、二人は静かに消えていった。そして、タバスが消えるとともに、チェンハンたちも闇の魔法から解き放たれた。

 

その頃、アンアンは一人で戦っていた。相手は50人の精霊王たち。彼らの攻撃が次々とアンアンに襲いかかる。精霊王たちの強さに全く歯の立たないアンアンに不滅忍精霊王は告げる、この戦いをあきらめろと。しかし、アンアンは決してあきらめの言葉を口にしなかった。すると、遠くから仲間や守護精霊・椿(チュン)の励ましの声が聞こえてきた。その声に力づけられたアンアンは再び立ち上がり、ついに精霊王たちに勝利する。そして、その強さを不滅忍精霊王に認められ、神秘の力を得る権利を手に入れた。

 

神秘の力が眠る場所への扉を開けると、そこにはママが一人で立っていた。思いがけない再会にアンアンは喜び、一緒に家に帰ろうと言う。しかし、ママはアンアンに残酷な真実を告げる。神秘の力の正体はママ自身で、この地にある天空の樹(全ての生命の源)に自分を封印しなさいと。そしてそれこそが花仙魔法使者としての使命なのだと。こんな寂しいところにママ一人を置き去りにできないと泣くアンアンに、ママは魔法でラベル大陸と地球の惨状を見せる。暗黒魔神に苦められる仲間たちの姿を見て、アンアンは泣きながらママを天空の樹に封印する。すると、天空の樹は強い光を放ち、その光は暗黒魔神を跡形もなく消し去った。

 

ラベル大陸と地球に平和が戻った。アンアンたちの哀しみと引き換えに。

 

 

そして、アンアンは仲間たちとともに地球に戻ってきた。花港市の異変など誰もが忘れ去ったかのようだったが、花仙魔法使者たちの記憶にはしっかりと残っていた。そして、何もかもが元に戻り、少女たちはつかの間の幸せを楽しんでいた。

 

劇場版小花仙 奇跡の少女 完

 

少女たちの戦いはアニメ版第3季へと続く…。

 

【終わり】