小花仙 日本語訳

中国アニメ「小花仙」を個人の趣味で日本語に翻訳しています。

小花仙第2季 第3集 伝説の人

 

ご注意!!

次の二点につきまして、ご理解くださいますようお願い申し上げます。

※こちらの日本語訳は個人が趣味で行なっているものであり、公式とは一切関係ありません。

※素人の翻訳のため、訳し間違い、読みづらい点もあるかと思います。参考程度に考えていただけると幸いです。

 

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小花仙第2季3集 传说之人

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【大雑把なあらすじ】
二期の敵役、タバスの悲しい生い立ち。
見たもの全てを滅ぼすという呪いの目を持って生まれたタバスは、勇気古城の王子でありながら、その誕生を誰からも祝福されなかった。我が子を殺すことをためらった勇気国王は、女神に彼の目を封印してもらう。女神にその目を封印されたとはいえ、人々の恐怖は簡単に消えるものではない。周囲からの恐れ、蔑みの中で生きてきたタバス。彼の唯一の味方は兄のシモンだけだった。
ある日、タバスはシモンからラベル大陸に伝わる伝説を聞かされる。大陸に危機が訪れたときに現れるという救世主のことを。その救世主になるため、タバスはよりいっそう努力しようと決意する。そして、兄シモンは、苦労の末に弟を救う魔法を見つけ出した。
全てが順調に向かい始めた矢先、タバスは夢の中で悪魔の囁きを聞いてしまう。その囁きとは…。
 
【日本語訳】
(ナレーション)
伝説によると、不思議な花の精霊たちが守るラベル大陸には、古から続く三つの民族があるという。神聖な守護の力を持つ古霊仙族、危険を恐れず騎士道を重んじる勇気古城、そして、善悪定まらず欲深い風沙の国。彼らは互いに平穏無事に、各々が大陸での責任と使命を果たしていた。
あるとき、【邪悪な魔神】が密かにラベル大陸に忍び入り、風沙の国を暗黒の手先へと変えてしまった。しかし、彼らがいかなる手段に出ようと、勇気古城の国王と騎士たちが築いた防壁を打ち崩すことは出来なかった。暗黒勢力はただ闇の中で歯噛みをしながら、機会を窺うしかなかった。そして、邪悪な魔神は狂ったように呪い続けた。のちに、勇気国王は最も邪悪な悪魔の報復を受けることとなる。
ほどなくして、勇気国に第二王子が誕生した。しかし、国王や国民たちに王子の誕生を喜ぶ者はいなかった。その王子は【魔輪の眼】の持ち主で、伝説上の暗黒の使者だったからだ。彼が両目で見たものは全て暗黒で覆われるという。勇敢な国王は我が子を殺すに忍びず、女神と花仙精霊王たちに彼の両目を封印するよう頼むしかなかった。これにより、勇気古城に両眼を目隠しで覆った、目の見えない王子が誕生した。彼の名はタバス。この小さな王子に近づこうとする者はなく、人々はみな伝説の暗黒の力を恐れてその身を隠し、恐々として【伝説の人】を遠ざけた。そのような中、一人だけ、みなとは違う者がいた。
 
夜の勇気古城。
広い部屋に一人で寝かされている赤ちゃんのタバス。
そこへ忍び足で兄シモンがやってくる。
シモン「えへへ。ぼくの弟」
シモンがそっとタバスに手を伸ばすと、タバスは嬉しそうにその手を掴んだ。
シモン「お前はぼくの弟だよ、タバス。うんうん、そう。ぼくはお前のお兄ちゃん、シモン。あはは。嬉しいかい?」
シモンの問いかけに嬉しそうに笑うタバス。
シモン「ぼくは女神様に誓う。永遠にお前を守り抜く、ぼくが出来ることはなんだってすると」
すやすやと眠るタバスの寝顔を見つめながら、シモンは誓いの言葉を口にした。
 
場面は変わって数年後。
自分の部屋で剣術の練習をするタバス。開いたドアから使用人たちの陰口が聞こえてくる。
使用人1「そうそう」
使用人2「そうなのよ」
使用人1「あんなに可愛らしくても、やっぱり怖いわよね」
使用人2「そうそう。女神様のおかげで目が見えないけれど…」
使用人1「あ、まだミルクを温めてなかった。早く厨房に戻らないと」
使用人2「私もまだ床を掃いていなかった」
使用人1「早く行きましょう」
使用人2「うん。行きましょう」
 
使用人たちの心無い言葉に傷つく幼いタバス。空いたドアから部屋の外へ出ると、向こうから兄シモンがやって来た。
シモン「ヘイ!ぼくの可愛い弟!」
タバスの頬をつつきながら声をかけるシモン。
いきなりの兄の行動にタバスは飛び上がるほど驚き、怒りを露にする。
シモン「怒らないでよ。ごめんねって。わざと驚かしたんじゃないんだよ」
タバス「フン!」
それでもタバスの怒りは収まらない。
シモン「許してよ~」
タバス「フン!」
子供らしく怒ってそっぽを向くタバスをどうしたものかと考えた末、シモンはタバスの脇をくすぐって笑わせることにした。
シモン「偉大なる勇気国塔巴斯王子殿下、寛大な心でぼくをお許しください~」
たまらず笑い出すタバスだったが、さきほどの使用人の陰口を思い出し顔が曇る。
タバス「お兄ちゃん」
シモン「うん?」
タバス「どうしてみんなぼくのことが嫌いなの?」
シモン「そんなことないよ。みんなお前のことが大好きだよ。こんなに可愛いんだもん」
タバス「でも…」
シモン「でもじゃないよ。ぼくを信じて。ぼくは勇気国の素敵なシモン王子だよ!さあ、遊びに行こう!」
シモンはタバスの手を引っ張り、外へと駆け出した。
 
勇気古城の草原。
タバスはシモンに問いかける。
タバス「ぼくの目は何も見えないから、みんなぼくのことを嫌ってるのかな」
シモンは起き上がって、一つ大きく伸びをした。
シモン「タバス、お前はこの世界で最も特別な、女神様が勇気国にくださったプレゼントだ。お前はぼくの一番大切な弟だよ。ぼくはお前が大好きだ」
タバス「うん」
 
夕暮れの草原を手をつないで駆け抜ける二人。
シモン(タバス、怖くないよ。ぼくはお前が大好きだ。ぼくがお前を永遠に守ってやる)
タバス(うん、ぼくの大好きなお兄ちゃん。たとえ目が見えなくても、ぼくはとても幸せだ。きっとずっと幸せだ)
 
場面は変わって数年後。
塔巴斯の部屋の前で陰口を言う使用人たち。
使用人1「女神様は私がこんなに怖がってるのをご存じないのかしら?」
使用人2「そうよそうよ。いつも彼の前を通るとき、心臓が飛び出しそうになるわ」
使用人1「本当に怖いわ。彼が伝説のあの…」
使用人2「女神様でも制御できない力を持ってるらしいわ」
使用人1「なんてこと!」
 
宮殿から離れた木の下で、一人声を殺して泣くタバス。そこにシモンがやって来た。
シモン「タバス」
タバス「何でもない」
慌てて涙を拭うタバス。シモンは何も言わずに隣に腰を下ろす。
タバス「シモン兄さん」
シモン「うん?」
タバス「【伝説の人】って何?」
シモン「…タバス、ラベル大陸には不思議な伝説があってね、強大な力が眠っていると伝えられているんだ。そして、その力を邪悪な魔神も狙っているという」
タバス「成功したの?」
シモン「もちろん失敗だよ。女神様が守ってるんだから」
タバス「そう!女神様はすごいんだ!」
シモン「だけど、女神様でさえ、その力を抑えきることはできないんだ」
タバス「え!女神様でさえ?」
シモン「うん。だから、女神様はラベル大陸で最も強い精霊王たちを呼び寄せて、一緒にその力を守らせたんだ。そして、その秘密を【花の法典】の中に隠したんだ。伝説によると、ラベル大陸に再び危機が訪れたとき、【運命の魔法の使者】が現れて、花の法典を開いて全てを救ってくれるんだって」
シモンの言葉に何かがふっきれたようなタバス。立ち上がり、大きく息を吸い込む。しかし風に飛ばされてきた草に鼻をくすぐられ、くしゃみをしてしまう。
シモン「あはは。おばかさん」
タバス「じゃあ、僕がその伝説の人なの?」
シモンはその問いには答えず、タバスの手を握りしめてこう告げた。
シモン「お前は素晴らしい人になるよ。タバス」           
タバス「ほんとに?」
シモン「うん。自分を信じなさい。そして兄さんを信じなさい。僕は…」
タバス「うん、信じる。兄さんは勇気国の素敵なシモン王子だからね」
シモンは振り返って、タバスにウインクした。
 
場面は変わって、森の中で剣術の練習をするシモン。その様子をタバスは陰から見つめている。
タバス「僕は頑張らないと。兄さんのため、父王とラベル大陸のため、僕があの伝説の人になるんだ」
決意を胸に、剣術や魔法の練習を始めるタバス。しかし、目が見えないので、何をやってもうまくいかない。剣術の練習をすれば蔦に絡まってしまい、魔法の練習をすれば魔法の火が自分に燃え移ってしまう。
タバス「焼け死ぬ~!」
シモン「タバス、止まりなさい。火を消してあげるから」
タバス「助けて~!」
たまらずに水の中に飛び込んだタバスを助けるシモン。その表情には、弟に対する無償の愛が滲んでいた。
 
疲れて眠ってしまったタバスを背負い、城へと戻るシモンは、かつての幼い日の誓いを思い出していた。
 
お前はぼくの弟だよ、タバス。うんうん、そう。ぼくはお前のお兄ちゃん、シモン。あはは。嬉しいかい?
ぼくは女神様に誓う。永遠にお前を守り抜く、ぼくが出来ることはなんだってすると。
 
シモン「タバス。永遠にお前を守り抜く。僕が出来ることはなんだってする」
自分の背中で眠る弟を見つめ、シモンは再び誓いの言葉を口にした。
 
場面は変わって、女神図書館。
膨大な蔵書の中から、タバスを救うための資料を探し出そうとするシモン。
しかし、どんなに探しても、目当ての資料は見つからない。
疲れ切って後ろにひっくり返ったシモンの顔に、一冊の本が落ちてくる。
そして、その本を開いてみると…。
シモン「あ!あった!これでタバスを救える!」
ついにシモンは弟を救う方法を見つけ出したのだった。
 
場面は変わって、タバスの寝室。
タバスは悪夢にうなされていた。混沌とした異世界闇の声が響く。
暗黒魔神「早く来い。早くここへ来るんだ」
タバス「誰?」
暗黒魔神「お前はかの【伝説の人物】だ」
タバス「誰なの?」
暗黒魔神「私はお前の運命だ」
タバス「運命?」
暗黒魔神「早く来い。封印を解いてやる。お前がこの世界を手にするのを手伝ってやろう…」

 

【続く】