小花仙 日本語訳

中国アニメ「小花仙」を個人の趣味で日本語に翻訳しています。

〜 劇場版小花仙:奇跡の少女 〜 詳細なあらすじ3

 

しかし、善戦はしたものの、ククルはタバスに敗北する。タバスがククルにとどめを刺そうとしたそのとき、ククルの守護精霊であるマンダーが蘇った。マンダーはタバスを攻撃しようとするが、謎の青年とメリメが体を張ってタバスを守る。そして、悪行を繰り返すメリメにマンダーは制裁を下し、メリメを永遠に亡き者にする。

 

※マンダーにより永遠に亡き者にされたメリメ。心の拠り所を失い、タバスは破滅の道を進むこととなる。

 

 

自分の守護精霊を殺されたタバスは、怒りと深い悲しみにより自暴自棄となり、悪魔の眼を封印している目隠しを外そうとする。それを謎の青年は慌てて止め、自分と一緒に勇気国に帰ろうと言う。謎の青年の正体はタバスの兄シモンで、タバスを連れ戻すために風沙国に来たのだ。

 

※顔を隠していた布を取り、正体を明かすタバスの兄シモン。

 

 

幼い頃のタバスはシモンを尊敬し愛していたが、シモンが勇気国の王位を継いだことを自分に対する裏切りだと感じ、シモンに嫉妬や怨みの感情を抱くようになった。シモンが勇気国の王位を継いだのには止むに止まれぬ事情があり、決して彼の本意ではなかった。彼らの父である前勇気国王は戦いで命を落としたのだが、それがあまりにも急すぎたのだ。父の跡を継ぐにはタバスはまだ若く、また勇気国民が悪魔の子タバスを王として受け入れるはずもなかった。しかし、タバスにはそれがわからず、兄が自分を裏切ったのだと感じたのだ。

 

兄との再会にタバスの情緒はさらに乱れ、シモンの制止を振り切って目隠しを外してしまう。そして、自らの体を暗黒魔神に捧げ、この世界を闇の世界に変えようとする。しかし、ラベル大陸を守る封印の力はまだ残っており、希望は消えてはいなかった。

 

※悪魔の眼を封印していた目隠しを外すタバス。自分の体を暗黒魔神に捧げ、自分を苦しめた者たちに対する復讐を果たそうとする。

 

※タバスの体を借り、この世界に降臨した暗黒魔神。

 

 

弟を取り戻すため、自分の命を顧みず、シモンは一人で暗黒魔神の元へと向かった。一歩間違えれば永遠に彷徨うことになる時空の狭間だが、シモンは少しのためらいもなく前へと進み続けた。そして、ついにシモンはタバスの体を乗っ取った暗黒魔神と対峙する。暗黒魔神はシモンに告げる、タバスはもうこの世にはいないと。そして、闇の存在として生まれたタバスの苦しみを語り始める。しかし、話すにつれ、それは暗黒魔神の言葉からタバス自身の言葉へと変わっていく。涙を流しながら生きる苦しみを語る暗黒魔神(タバス)をシモンは強く抱きしめる。そして、タバスは自分にとって一番大切な人で、彼の存在は自分の心の光だと告げる。すると、シモンの深い愛に触れた暗黒魔神(タバス)はうめきながら消えていった。

 

※弟を取り戻すために、暗黒魔神の姿になった弟を抱きしめるシモン。

 

 

シモンが目を開けると、そこは何もない真っ白な世界だった。そこはタバスの記憶の世界。記憶の世界で、タバスは勇気国の王座を壊して泣いていたあの頃の子供だった。王座の上で膝を抱えて泣き続ける幼いタバス。王座を壊したのは自分だ、悪いのは自分だと自分を責め続けている。当時は弟を助けたい一心で、自分が壊したことにしたシモン。しかし、自分を責め続けるタバスの心の声を聞き、シモンは覚悟を決めてタバスに告げる。

 

「そうだ、タバスが壊した。でも、たいしたことじゃない。タバスはもう十分に反省した。自分の過ちを認めることは一番勇敢なことだ。…タバス、一緒に帰ろう」

 

兄の言葉にタバスは素直にうなずき、二人は抱き合ったまま時空の波に消えていった。

 

※タバス、一緒に帰ろう…。

 

詳細なあらすじ4に続く

https://itsumimzt.hatenablog.com/entry/2023/01/26/210801