小花仙 日本語訳

中国アニメ「小花仙」を個人の趣味で日本語に翻訳しています。

小花仙第2期第17話 恋しい気持ち

ご注意!!

 

次の二点につきまして、ご理解くださいますようお願い申し上げます。

※こちらの日本語訳は個人が趣味で行なっているものであり、公式とは一切関係ありません。

※素人の翻訳のため、訳し間違い、読みづらい点もあるかと思います。参考程度に考えていただけると幸いです。

 

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小花仙第2季17集 心中的依恋

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【大雑把なあらすじ】

明日は先生に日頃の感謝の気持ちを伝える記念日、教師節。ダイ・ウェイウェイ先生に送るプレゼントを買いに来たアンアンたち。クラスの集合写真を撮ってきれいな写真立てに入れてプレゼントすることにしたアンアンたちのアイデアを、王子である傲慢さで馬鹿にするククル。アンアンのクラスのダイ・ウェイウェイ先生は、実はラベル大陸でのククルの魔法の先生で、ククルの父、古霊仙族王が認めるほどの実力の持ち主だったのだ。しかし、そんなに素晴らしい先生がついていながら真面目に勉強しなかったククルをルルはきつくなじる。さすがのククルもひどく落ち込み、その場から逃げ出してしまった。

 

素晴らしい先生たちに恵まれたにもかかわらず、サボリ魔で役立たずの自分のせいで先生たちを苦境に追い込んだしまったことに、今更ながら自責の念を感じるククル。そして、かつてダイ・ウェイウェイ先生が教えてくれた秘密の魔法を思い出す。言葉に出して言えない気持ちを相手の心に直接伝える魔法だ。その魔法を使い、今は囚われの身になっているもう一人の先生、エドウィン先生に「これからは一生懸命勉強する。だから早く戻って来て」と伝えようとする。しかし、真面目に勉強してこなかったククルの魔法は失敗、先生にその想いを伝えることはできなかった。しかし、真剣な想いは藤の花の精霊王を呼び寄せた。

 

【日本語訳】

迷の王子タバス「無駄な抵抗はやめろ!朱槿花精霊王・扶桑!」

くさむらにその身を隠すも、すぐに見つかってしまうハイビスカスの精霊王、扶桑。

タバス「暗黒魔神を証人とし、花仙魔法師タバスの名をもって、扶桑、汝を封印する!」

タバスの暗黒魔法により封印され、闇落ちする扶桑。精霊王をゲットし満足げなタバス。そこに二人の少女が通りかかる。身を隠すタバスとメリメ。

 

少女1「明日は【先生の日】だね。蔡先生にどんなプレゼントをあげるの?」

少女2「わかんない。蔡先生がもうすぐ辞めちゃうと思うとすごく悲しいよ」

少女1「私も。この先もずっと先生のことを恋しく思い出すだろうな…」

少女2「先生に何か素敵なプレゼントをあげたいな」

少女1「うん。私も!」

 

タバス「恋しい…、先生…」

少女たちの言葉で物思いに耽るタバス。大好きだった兄シモンとの思い出がよみがえる。

 

(タバスの回想シーン)

白いバラが咲き乱れる庭園で、力比べをする少年の日のタバスと兄のシモン。タバスの攻撃で吹き飛ばされ、地面に横たわるシモンにタバスは優しく手を差し伸べる。

シモン「あはは。タバス、お前はどんどん強くなるね」

タバス「いやいや、全て兄さんが教えてくれたことじゃないか」

シモン「あははは。でも、シモン先生はだんだんお前に敵わなくなってきたよ」

タバス「え?」

シモン「青は藍より出でて藍より青し。シモン先生はとても満足だよ」

タバス「ハハハ…。シモン先生?ハハハハ…」

シモン「シモン“先生”はおかしかったかな…。ははは…」

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

メリメ「殿下、何を考えていらっしゃるのですか」

タバス「何でもない」

メリメの言葉で我に返るタバス。

メリメ「シモン王子のことを考えていらしたのですか」

メリメの言葉に思わず声を荒げるタバス。

タバス「黙れ!前にも言ったはずだ。私の前で彼の名を口にするなと!」

メリメ「申し訳ございません。どうかお許しください」

 

場面は変わって雑貨屋。

明日の【先生の日】(9/10)のために、プレゼントを買いに来たアンアンとチェンハン。

アンアン「チェンハン、ダイ・ウェイウェイ先生へのプレゼントは何がいいと思う?」

チェンハン「見て、このオルゴールはどう?すごくきれいだよ」

アンアン「うーん。きれいはきれいだけど、何か足りないような…。何が足りないかはわからないけれど」

チェンハン「先生の愛は無償だから…。だから、何を送っても気持ちを伝えきれないよね」

花の細工が施された写真立てに気づくアンアン。

アンアン「これはどうかな。クラスみんなで集合写真撮ってさ」

チェンハン「いいね!いいアイデアだと思うよ」

アンアン「じゃあ、他のクラスメートにも伝えて場所を決めないと」

チェンハン「うん。私、カメラ持ってくるね。お花のきれいな場所を探そう。先生はお花が大好きだから」

アンアン「うん!」

ククル「ヘッ、オマエらほんとにめんどくせーな!」

アンアンのリュックから顔を出し、悪態をつくククル。

ククル「ダイ・ウェイウェイは我が父王自らが任命した魔法師で、女神からの祝福も受けてるんだ。これこそ最高のプレゼントだろ。オマエら地球の庶民からのプレゼントなんて何の価値もねーよ」

ククルの傲慢な態度に我慢ならず、チェンハンのかばんから飛び出すルル。

ルル「ククルのような生徒がいるなんて、ダイ・ウェイウェイも本当についてないね」

ククル「何だって?!」

ルル「フン!ククルは花仙大陸でも有名なサボリ王で、他国の王族の後継者たちに遥か遠く及ばない。エドウィンやダイ・ウェイウェイのような素晴らしい魔法師の面目丸潰れだね」

ククル「おおおおお、お前…!」

ルルの口撃に顔を真っ赤にして怒るククル。それでもルルの口撃は止まない。

ルル「それに恩知らずだから、先生たちがよくしてくれるのを当然のように思ってる。傲慢で役立たずのちび王子!」

ククル「うるさーい!オマエ、それが王子に対する口のきき方か?あ、イテッ!」

ククルの鼻をつまみ上げ、なおもククルを罵倒する。

ルル「何か間違ってる?いま彼らがこんなことになってるのは、古霊仙族と役立たずの王子のせいだから!」

最後の一撃に意気消沈するククル。

ククル「オレ…」

チェンハン「ルル、そんな風に言っちゃダメ。ククルだってすごく傷ついているんだから」

ルル「フン!」

最後の一撃がかなりこたえたようで、ククルは泣きながら外へ飛び出した。

 

場面は変わって、藤の花が美しく咲く公園。

そこでククルは一人物思いに耽っていた。先ほどのルルの言葉を、そして自分が不甲斐ないばかりに大切な先生たちに迷惑をかけてしまったことを思い出しているのだ。

 

ダイ・ウェイウェイ先生はメリメの罠にかかり魔力を吸い取られ、自身の守護精霊すら召喚できなくなってしまった。

エドウィン先生はタバスの黒魔法に嵌められ、異世界へと消えてしまった。

どれもこれも自分が不甲斐ないせいだ。

ククル「先生、先生。オレが間違ってた。もう授業をサボったりしない。一生懸命勉強するよ…」

泣きながら誓いを立てるククル。

そして、かつてのダイ・ウェイウェイとの思い出が脳裏をよぎる。

 

(ククルの回想シーン)

ククルの故郷、古霊仙地で魔法の授業を受けるククル。しかし、ククルはそっぽを向き、全くやる気がない。

ダイ・ウェイウェイ先生「ククル、自分の想いを伝える魔法をあなたに教えてあげる」

ククル「想いを伝える魔法?そんなの役にたつのか?」

先生「ククル、相手に自分の気持ちを伝えたくても、言葉に出せないときってあるでしょう?」

ククル「フン!そういうことか。オレ様は王子だからな。王子はかっこよくて威厳がないといけない」

先生「様々な原因で自分の本当の気持ちを伝えることができないとき、この魔法を使えば相手に自分の想いを伝えることができるの。これなら王子の威厳も保てるわ」

ククル「わあ!すごい!オレもやる!早く早く!」

先生「心の中で想いを念じながら、魔法の言葉を唱えるの」

目を閉じ、何かを呟くダイ・ウェイウェイ先生。その言葉は金色の光となり、ふわふわと宙を漂っている。

ククル「ダイ・ウェイウェイ、何か言った?」

期待の眼差しを向けるククル。先生は軽く微笑み、その光を指でつついた。するとその光は宙を漂い、ククルの目の前で弾けた。ククルが耳を澄ますと、さきほどの先生の気持ちが今度は声になり、ククルの耳に届いた。

 

ククル王子が一生懸命勉強しますように…。

 

ククル「すごい!オレもやってみる!」

先生に倣い魔法の呪文を唱えるククル。

ククル「“ねぇねぇ”…えっと、続きなんだっけ?」

先生「“ひそひそ おしゃべり 精霊のささやき”」

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

ククル「もしできるのなら、エドウィン先生にオレの気持ちを伝えたい。えっと、あの魔法の呪文は…、“秘密の想いをこっそりささやく”」

ククルの呪文に反応してピンク色の光が現れた。自分の魔法の出来に満足し、その光に自分の想いを託すククル。

ククル「先生にオレの気持ちを伝えよう。エドウィン先生、会いたいよ…。秘密の魔法よ、先生に伝えておくれ。ククルはもう二度と授業をサボったりしません。だから、だから、早く帰って来て!エドウィン先生!」

ククルに言葉を託された魔法の光は高く空へと飛び立った。かのように見えたが、勢いを無くして落下した。

ククル「どうして落ちる!」

慌てて光を受け止めるククル。しかし光は火に変わり、受け止めたククルの手とお尻に燃え移った。

ククル「わ!熱い、熱い!わあああ!お尻が焼ける!助けて!」

 

その時、一面の藤の花から光があふれ、一人の精霊王が姿を現した。精霊王の両手から藤の花びらが舞い散り、その花びらがククルの身体を包む。花びらは再び精霊王の元に戻り、先ほどのククルの言葉をその耳に伝えた。

 

エドウィン先生、会いたいよ…

 

思いがけない出来事に、気恥ずかしさを隠せないククル。

ククル「えっと、今のは適当に言っただけだから…。お、オマエは紫藤花精霊王!」

紫藤花精霊王「エドウィンのことは私も知ってるわ。古霊仙族の伝説と呼ばれる最強の魔法師ね」

ククル「うん!」

誇らしげに頷くククル。

紫藤花精霊王「どうやら彼は先生としても素晴らしいようね」

ククル「うん。だけどオレはいい生徒じゃなかった…」

紫藤花精霊王「でも、今の魔法はとても良かったじゃない」

ククル「今のはダイ・ウェイウェイが教えてくれたやつだし、それにやっぱり下手くそだ。エドウィン先生の授業をオレはちっとも聞いてなかったんだ…」

自分の言葉に涙を浮かべるククル。

紫藤花精霊王「認めたくないかもしれないけど、あなたは先生たちが恋しいんじゃない?」

ククル「オマエ、なんでわかったんだ」

紫藤花精霊王「“恋しい”というのは紫藤花の象徴なの。私にはあなたの気持ちがわかるの」

ククル「オレの気持ち…」

紫藤花精霊王「うん。さっきのあなたの魔法のように、気持ちによって魔法の色も違ってくるの。さっきのあなたの魔法はピンク色だったでしょ。それは恋しい気持ちを表しているのよ」

ククル「えっと…」

紫藤花精霊王「エドウィンが知ったらきっとすごく喜ぶわ」

ククル「そんなことないよ。オレは先生に恥をかかせただけだ…」

 

タバス「その通りだ。古霊仙族の面汚し!」

あたりに舞い散る黒い花びら。

ククル「迷の王子…」

ククルが振り向くと、そこにはタバスとメリメが立っていた。

 

【続く】