小花仙 日本語訳

中国アニメ「小花仙」を個人の趣味で日本語に翻訳しています。

小花仙第2期第15話 ケンカするほど仲がいい

ご注意!!
次の二点につきまして、ご理解くださいますようお願い申し上げます。
※こちらの日本語訳は個人が趣味で行っているものであり、公式とは一切関係ありません。
※素人の翻訳のため、訳し間違い、読みづらい点もあるかと思います。参考程度に考えていただけると幸いです。
 
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小花仙第2季15集 欢喜小冤家

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※今回のタイトルにもなっている【欢喜冤家】ですが、該当する日本語がわからなかったため、作中の単語に関しては日本の漢字に直すだけにとどめました。
【大雑把なあらすじ】
身勝手なククルにいつも悩まされるアンアン。今日は自分が大好きなゲームを勝手にアンインストールされて怒り心頭。今回ばかりは許さないと、イライラしながら朝食を食べていると、パパに友達の大切さを教えられる。パパの言葉は、かつてククルを失って悲しんだ記憶を思い起こさせた。しかし、やはり怒りは収まらない。ケンカしつつ学校へ向かう途中、憧れのワンクーお兄さんが自転車で通りかかった。お兄さんに学校まで送ってもらってアンアンの機嫌はすっかり直ったが、それが面白くないククルはお兄さんに難癖をつけ始める。彼からは何か怪しい気配がすると。しかし、ククルの言葉を信じる者は誰もいなかった。
 
放課後、一日中元気のなかったククルを心配するチェンハンたち。アンアンがククルの好物の蜂蜜ケーキを分けてあげるとククルの態度は一変。楽しそうにふざける二人の姿を見て、チェンハンは二人の関係は【歓喜冤家】だと言った。けんかはしても、心の中ではお互いを信じあっているのだと。しかし、素直ではない二人はチェンハンの言葉を強く否定した。
 
その時、空に一筋の光が流れた。花仙精霊王の気配を感じてその光を追いかけると、含笑花(ガンショウゲ)のかぐわしい香りが漂う公園へとたどり着いた。
 
【日本語訳】
(塔巴斯の回想シーン)
美しく花が咲き乱れる野原を、手をつないで走る幼いタバスと兄のシモン。
タバス「あはは。お兄ちゃん、待ってよー。お兄ちゃん。あはは。」
メリメ「…王子殿下、王子殿下!」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
幸せだった頃の思い出に耽るも、黒薔薇男爵メリメの呼びかけに現実に呼び戻されるタバス。
メリメ「お取り込み中のところ失礼いたします」
タバス「…何だ?」
メリメ「暗黒女神ヤージャ様が、暗黒魔神様から貴方様への挨拶を言付かっているとのことです」
タバス「ハハハ。お前はいつも言葉を飾るのがうまい。彼女は私を問い質しに来たのだろう?」
メリメ「私の王子、この世で貴方だけが【伝説の運命の人】なのです…」
 
タバスが魔法の槍で鏡に攻撃を加えると、鏡の中にヤージャの姿が映った。
暗黒の女神ヤージャ「フフフ、私の可愛い王子。異世界の地球でも変わりはなくて…?」
タバス「はい。全て順調です」
タバスの言葉に眉を顰めるヤージャ。
ヤージャ「本当にそうかしら?ならば何故、未だにあの取るに足らない地球の少女を始末し、全ての花仙精霊王を集め終わらないのかしら?」
タバス「全ての花仙精霊王と【花の法典】を貴女の御前に持って参りましょう。ただ、その前に、あの地球の少女たちに天国から地獄へと真っ逆さまに落ちていく瞬間を味わわせてやりたいのです。彼女たちが絶望にうち震える姿は、さぞや面白いことでしょう」
ヤージャ「くれぐれも暗黒魔神様の大いなる計画をうち壊さぬように!」
自分の言葉に同意せず、先を急がせようとするヤージャにタバスは苛立った。
タバス「親愛なる女神よ!私こそがかの【伝説の運命の人】だ!違いますか!」
ヤージャ「…もちろんよ、私の王子。では、よい知らせを待っているわ」
タバスの迫力にさすがのヤージャも恐れをなし、一言残して鏡からその姿を消した。
 
タバス「ヤージャ…。フン!」
メリメ「王子、どうなさるおつもりですか」
タバス「それならば…。行くぞ!」
メリメ「はい」
目的を遂行するため、タバスとメリメは地球へと向かった。
 
場面は変わって、アンアンの家。
静かな朝に、アンアンの叫び声が響き渡る。
アンアン「ククルーーー!!!」
パパ「地震?…気のせいかな」
アンアン「もう怒った!バカ昆虫!私がやってたゲームを消しやがったな!」
ククル「オレ様は“怪盗RK”っていうゲームをダウンロードしたいんだよ。着せ替えとか歌とかダンスとか、そんなゲームのどこが面白いんだよ」
アンアン「決闘だ、ククル!この自己中め!」
ククルに飛びかかるアンアン。しかし、飛んで逃げるククルをなかなか捕まえられない。
ククル「ヘヘ。捕まえてみろ~♪」
捕まえるのをあきらめ、ククルを無視して登校の準備を始める。すかさずアンアンの通学カバンに潜り込むククル。
ククル「へへ。アンアン、学校行こうぜ!」
アンアン「ククルは連れて行かない」
ククルを投げ捨てるアンアン。しかし、ククルはあきらめない。またもやアンアンのカバンに潜り込む。
ククル「そんなこと言うなよ。なんでオマエはそんなに心が狭いんだ」
攻防を繰り返す二人。その時、階下からパパの呼ぶ声が聞こえた。
パパ「アンアン、遅刻するよ。早くご飯を食べに来なさい」
怒っているアンアンはククルを部屋に残し、一人で下へ降りて行った。
ククル「イッテ~」
アンアンの後を追うも、ドアに激突するククル。すると、ドアが開き、アンアンが顔を出した。
アンアン「悪いことをしてもいつも真面目に謝らない。礼儀知らずのチビ王子!フン!」
アンアンは言いたい事だけ言うと、再び強くドアを閉めた。
ククル「フン!バカ庶民!(再びドアが開くのに気づき)…ヘヘ、庶民。許してもらえると思うなよ♪」
しかし、そこにいたのはアンアンではなく、飼い猫のシロであった。
 
場面は変わって、一階のダイニング。
パパ「アンアン。どうしたんだい?」
アンアン「今回だけはぜっっったいに許さないんだから!」
アンアンの怒りはまだ収まらない。そこに、シロがぬいぐるみに化けたククルをくわえて階段を下りて来た。
ククル(王子の面目丸潰れ…)
テーブルに飛び乗り、アンアンの前にククルを置く。しかし、アンアンはそれを無視して、パパお手製の蜂蜜ケーキを食べ続けた。
ククル(あああ~、オレも食べたい!腹減ったよ~!貴重なパパお手製の蜂蜜ケーキ~!)
ぬいぐるみのククルに手を伸ばすパパ。
パパ「ハハハ。アンアンはこのちび王子のことを怒っているのかい?」
アンアン「パパ、なんでこいつが王子だって知ってるの?」
パパ「うん?違うのかい?アンアンがいつもそう呼んでるじゃないか。…ハハハ。パパにとっては、うちのアンアンが一番きれいなお姫様だけどね」
アンアン(パパは私がお姫様ごっこをしてると勘違いしてるのか…)
パパ「いい友達というのは、お互いを受け入れるものだよ」
そう言って、ククルをアンアンのカバンに入れる。
アンアン「私はアイツとなんか友達になりたくない!」
パパ「あははは。前にうっかりちび王子を無くしてしまって、雨の中で泣いていたのは誰だったっけ?」
 
(回想シーン)
雨空の下、自分の不甲斐なさに泣くアンアン。
アンアン「パパ、パパ…。すごく大切な友達が私の助けを求めているのに、私はその子を慰めることも支えてあげることもできないの。すごくつらいよぉ…」
パパ「アンアン、本当の友達なら、たとえ何が起ころうと、変えてはいけないことがある。それはお互いを信じることだ」
アンアン「うん」
パパ「アンアン、頑張りなさい」
アンアン「うん」
パパ「そうだ。アンアン、公園でこれを拾ったよ。アンアンのじゃないかい?」
アンアン「あ!」
手渡された自分のカバンに手を入れると、中にはぐったりとしたぬいぐるみのククルが入っていた。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
 
アンアン「パパ、行ってきます!」
カバンを手に、元気よく駆け出すアンアン。
パパ「気をつけて行ってらっしゃい。今日も頑張ってね」
アンアン「パパ、わかった!」
パパ「リリー…」
アンアンを見送り、部屋に飾られた親子三人の写真を見つめる。そして、今は遠くにいる最愛の妻の名を呟いた。
 
場面は変わって、学校へ向かうアンアンとククル。
ククル「へへへ、うめ~」
アンアン「食べることばっかだな」
パパお手製の蜂蜜ケーキをククルに分けてあげるも、アンアンの怒りはまだ収まらない。
ククル「庶民、オマエにも良心があったようだな」
 
?「アンアン!」
すると、背後から自分を呼ぶ声と自転車のベルの音が聞こえた。
お兄さん「やっぱりアンアンだ」
アンアン「ワ、ワンクーお兄ちゃん。(笑顔も素敵~ハートマーク)」
お兄さん「アンアン、学校に行くのかな?乗せて行ってあげるよ」
アンアン「うん。ありがとハートマーク
 
お兄さんの自転車の後ろに乗り、ご機嫌のアンアン。前方にチェンハンを発見し、声をかける。
アンアン「チェンハン!」
チェンハン「おはよう、アンアン。…あ!ワンクーお兄さん、おはようございます」
お兄さん「おはよう、チェンハン。…それじゃあ、みんな今日も頑張ってね。またね」
アンアン「ワンクーお兄ちゃん、またねハートマーク
 
チェンハン「わあ。アンアン、ワンクーお兄さんに送ってもらったの?」
アンアン「今日は本当にラッキーだなあハートマーク
ククル「フン!あのワンクーとかいうヤツ、なんか怪しいんだよなあ…」
アンアン「学校の前なんだから、人に見つからないように気をつけて!」
チェンハンのカバンからルルが飛び出す。
ルル「お兄さんの方が自分より王子様っぽいから、面白くないんでしょ~?」
アンアン「そうそう」
ククル「フン!」
機嫌を損ねたククルはアンアンのカバンに潜り込んだ。
アンアン「ククル…」
いつもと様子の違うククルに、アンアンは少し心配そうだった。
 
場面は変わって放課後。
家に帰るアンアンたち。
チェンハン「ククル、今日は元気なかったね」
ククル「真の王子はオマエら庶民とは口をきかないのだ」
アンアン「(パパお手製のケーキを見せながら)では、真の王子様は庶民のケーキなど食べませんね?」
ククル「オレんだ!オレんだ!蜂蜜ケーキ!」
ククルに蜂蜜ケーキをあげるアンアン。嬉しそうなククルを見て、思わず笑顔になる。
チェンハン「うふふ。言った通りだ。やっぱり二人は本当に仲良しだね」
アンアン「誰が仲良しだって?あんな礼儀知らず」
ルル「そうそう。ククルはラベル大陸でもあんな感じで、花仙たち(ラベル大陸の住民)はみんな頭を抱えてたんだから」
チェンハン「う~ん、何て言うのかな。アンアンとククルの関係は【歓喜冤家】って感じ?」
アンアン、ククル「違うって!!」
ククル「うん?【歓喜冤家】って、何だ?」
チェンハン「本当はお互いのことを気にかけていて、信頼して支え合ってるのに、ついついけんかしちゃう仲のことだよ」
アンアン、ククル「嫌だって!!」
息の合った二人を見て、思わず笑ってしまうチェンハンとルル。
すると、空に一筋の光が流れた。
ククル「あれは…」
アンアン「どうしたの?ククル?」
ククル「アンアン、早く!花仙精霊王を見た気がする」
ルル「本当?ククル、確かなの?」
アンアン「ククルを信じる!チェンハン、早く!」
ククル「アンアン…」
チェンハン「うん!」
 
流れ星のような光を追いかけると、いつしか公園に着いた。
アンアン「ククル、この辺り?」
ククル「うん。おかしいな。どこ行ったんだ?(花の香りに気づいて)…いい香りだな」
ルル「うん。こんなにいい香りがするのは含笑花精霊王だね」
 
その様子を、含笑花(ガンシュウゲ)の精霊王は木の陰からそっと窺っていた。
 
【続く】